多焦点眼内レンズでの水晶体再建術、先進医療から選定療養へ

「有効性、効率性等が十分に示されず」

2019年12月13日 水谷悠(m3.com編集部)

厚生労働省は12月13日の中医協総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」を先進医療Aから削除し、新たに選定療養とすることを提案し、了承された。有効性、効率性等が十分に示されていなことから先進医療Aから削除するが、白内障に対する「水晶体再建効果」に加え、疾病に対する治療には位置付けられないアメニティとしての「眼鏡装用率の軽減効果」を有し、患者のニーズがあることから選定療養とする(資料は厚労省のホームページ)。

この技術は2008年7月に先進医療Aとして適用され、2018年7月から2019年6月までの1年間の実績は総合計約248億6266万円、先進医療総額約229億7932万円、平均入院期間1.1日、実施件数3万3868件、実施医療機関数883だった。

12月5日に行われた先進医療会議で、先進医療告示に掲げられている先進医療Aの 25 技術および総括報告書の報告を終えている先進医療Bの1技術について、保険導入にかかる科学的根拠等を評価したところ、この技術と「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」の二つが、削除する方向となった。

一方、日本眼科学会と日本眼科医会からは「老視矯正(多焦点)眼内レンズを用いた水晶体再建術施行に際して生ずる費用の『K282 1 眼内レンズを挿入する場合 ロ その他場合12100点』を超える部分」を選定療養に導入するべきとして共同提案があったが、その時点では先進医療Aとして実施されていたために具体的な検討は行われておらず、削除の提案に合わせて選定療養への導入を提案することになった。

日本医師会常任理事の松本吉郎氏は、効果が同等であれば、手術支援ロボット「ダビンチ」を用いての内視鏡手術のように、既存技術と同じ点数での保険適用をしてきたが、この多焦点眼内レンズの場合は、眼鏡装用率低下がアメニティの部分であって治療ではないものの、治療と一体不可分で、そのまま保険適用することが難しいと指摘。一方、自由診療とすると眼内レンズを使用した水晶体再建術の部分も保険外になってしまうことから、選定療養での提案となったのだろうとの見解を示し、「今回の提案は極めて異質なものであり、高額なものを使う場合は一部しか保険適用しないという扱いとは異なることを明確にしてほしい」と厚労省に質した。

厚労省は「疾病に関する治療の一部を適用するのでなく、アメニティの部分について選定療養に位置付けてはという提案だ」と答弁。松本氏はさらに、選定療養となったことで多焦点レンズの価格が高止まりするのを防ぐことや、患者への十分な情報提供を厳格に行うことも求めた。

 

 

引用: https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/716430/

医療維新

 

 

水晶体再建術に関して、今年は変化がありそうです。

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