視界が歪む、ゴミが浮かんでみえる…「網膜の病気」を疑う症例

 

本日は、網膜の病気について記事をご紹介します。

経験されている方も多いかと存じますが、明るい場所に行くと視界にゴミのようなものが浮かんで見える現象があります。

これを「飛蚊症」といいます。

基本的に「飛蚊症」は生理現象のものが多く、経過観察とされることが多いです。
しかしながら、急激に「飛蚊症」の量が増えた場合など、病的なものとなる可能性がありますので、そのような場合には眼科を受診した方が良いと思います。

それでは、記事を見てみましょう。

 

 

視界が歪む、ゴミが浮かんでみえる…「網膜の病気」を疑う症例

目の病気は誰だって怖いもの。年齢を重ねれば、老眼や白内障なども始まり、視力の衰えをよりいっそう感じることでしょう。「年だから仕方がないか…」と、納得してしまいそうになりますが、思わぬ病気を発症している可能性に、気づいているでしょうか。本連載では、はんがい眼科・板谷正紀院長の書籍『「自分だけ」のオーダーメイド白内障手術』(幻冬舎MC)より一部を抜粋して、眼病の知識をわかりやすく解説します。

加齢によってだれでもなる可能性がある網膜の病気

眼球をカメラに例えるとフィルムに当たる部分が網膜です。網膜の裏面には光を感じる視細胞が稲穂のように無数に並んでいます。

この視細胞からの電気信号は、さまざまな神経細胞を経て情報処理をして網膜表面の神経線維に集められ、視神経を通って脳へ送られて、私たちはものをみることができるのです。したがってこの電気信号の流れのどこかが遮断されると、視力が落ちたり視野が欠けたりするのです。

問題は、神経細胞が傷むと元に戻らないため、視力や視野を取り戻せないと言うことです。すなわち、神経が傷む前に早期に治療することが必要です。

 

中略

 

もっとも一般的に知られているのは網膜剝離でしょうか。網膜には血管が走っており、これによって栄養や酸素が供給されていますが、視細胞は網膜の裏側にある土台の脈絡膜からも栄養や酸素をもらっています。そのため網膜がはがれて脈絡膜から栄養・酸素をうけられなくなると、その部分の視細胞が死んでいきます。はがれた部分が広がれば失明につながるので、緊急性の高い手術になることが多いのです。一刻も早く網膜を土台に貼り付けないといけないのです。

こうした網膜表面の病気には、網膜剝離のほか、視力ともっとも緊密に関係している黄斑とよばれる部分に孔があく黄斑円孔、その黄斑に膜がはる黄斑前膜などがあります。共通するのは網膜表面に接着している硝子体の膜(後部硝子体皮質)が網膜から離れるときに起きることです。

硝子体は水晶体の後ろから網膜までの広い空間を占める透明なゲル状の線維組織ですが、黄斑、特に黄斑の中心および周辺部の網膜と強く癒着しており、網膜から離れるときに強く引っ張って病気を引き起こすのです。

一方、網膜に栄養や酸素を供給している血管が詰まることによっておこる網膜の疾患もあります。動脈が詰まると網膜中心動脈閉塞症または網膜中心動脈分子閉塞症、静脈が詰まると網膜中心静脈閉塞症または網膜中心静脈分枝閉塞症、毛細血管が詰まる病気の典型的なものが糖尿病が原因でおこる糖尿病網膜症です。因みに糖尿病網膜症は、緑内障に次いで日本人の失明原因第2位を占めています。

さらに網膜の病気には、網膜の土台にあたる部分に異常がおきて発症するものもあります。その代表格が加齢黄斑変性です。加齢黄斑変性は最近日本人の失明原因の上位にあがってきており、欧米では失明原因のトップになっている怖い病気です。

症状はものが歪んで見えたり、見たい部分だけがうまく見えない(=中心暗点)といった黄斑部に異常がある際の典型的なものです。原因は不明なものが多いですが、最近では加齢黄斑変性は遺伝子多型が関係していることがわかってきました。

異物が浮かんでみえる「飛蚊症」はたいてい無問題

加齢によってあらわれる典型的な目の症状といえば飛蚊症です。かたちはさまざまですが、ある年齢になるとだれでも視界の中に、ゴミのような異物が浮かんでみえるようになります。泡のようなものが見えることもありますし、文字通り蚊が目の中に飛び込んだように見えることもあります。

視線を動かすと、その異物も動くので最初はとても気になります。なかには「怖い病気ではないか」と眼科を受診する人もいますが、たいていの場合は「生理的飛蚊症ですね。とくに問題はありませんよ」といわれます。

飛蚊症の原因ははっきりしていて、後部硝子体剝離によるものです。後部硝子体剝離と聞くと何かとても怖い病気のような印象をうけますが、ある年齢になると加齢によって硝子体が縮み、だれにでもおきる生理的加齢現象です。

それまで網膜と密着していた硝子体の後部にある膜(後部硝子体皮質)が網膜から離れるのが後部硝子体剝離です。離れ方は人によってさまざまで、一部がくっついている場合もありますし、完全に離れる場合もあります。視界の中にみえるゴミのような異物は、このはがれた後部硝子体皮質の一部なのです。

うまく後部硝子体剝離がおこって網膜からきれいにはがれると視神経乳頭に付着していた部分が丸いリング(ワイスリング)として見えることがあります。問題は後部硝子体剝離がうまくいかなかったときです。このとき起こるのが網膜表面の病気です。硝子体と網膜の一部が癒着していて網膜が弱い場合、網膜がやぶれたり、はがれたりすることがあります。網膜の周辺部分が破れると中高年に多い裂孔原性網膜剝離になります。

これは進行が早く緊急性が高いことで知られています。さらに人間の視力の中心的な機能を担っている黄斑という部分で、後部硝子体皮質と黄斑の癒着が強いと黄斑の中心に丸い孔があく黄斑円孔という病気がおきます。逆に、硝子体の一部がうまく網膜からはがれず、網膜上に残ることがあります。この膜に網膜の細胞が呼び寄せられて集まり網膜の前で成長し厚い膜となって求心性に収縮して網膜を引っ張り上げて歪めたり厚くしたりする黄斑前膜(上膜)という病気がおこります。

このように飛蚊症自体は、ほとんど問題のないケースが多いのですが、初めて自覚したときや急に増えたり形がかわる場合はこのような病気の可能性がありますので眼科を受診した方がいいでしょう。

 

引用: https://gentosha-go.com/articles/-/24724

幻冬舎GOLD ONLINE

 

 

いかがでしたか。網膜や黄斑など眼底のことや飛蚊症のことが非常に詳しく説明されており、とても勉強になりますね。
なにごとも早期発見が大切です。

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