電子書籍は本当に眼に悪いのか?

本日は、最近かなり普及している電子書籍についての記事をご紹介いたします。

 

電子書籍は本当に眼に悪いのか? いくの眼科院長 兼 日本近視学会副理事長 生野恭司先生インタビュー

「いつでも買える」「何冊でも気軽に持ち運べる」など、紙の本とはまた別の便利さのある電子書籍。児童書でも、電子書籍版が発売されることが一般的になってきました。一方で、「子どもの眼に悪い気がする」という先入観があるのも事実。そこで、いくの眼科院長であり、日本近視学会の副理事長である生野恭司(いくのやすし)先生に、実際のところ「電子書籍って眼に悪いのか」を聞いてみました!

 

いくの眼科 院長 生野恭司(いくの・やすし) プロフィール
1990年 大阪大学医学部卒業。1997年アメリカハーバード大学 眼研究所留学。国立大阪病院(現・国立病院機構大阪医療センター)勤務、大阪大学医学部眼科講師などを経て、2015年いくの眼科開設。大阪大学招へい教授、金沢大学臨床教授。日本近視学会副理事長。 小学生の頃好きだった本は「海底2万マイル」。

 

――まず、どういった行為が眼に悪いのか、一般論として教えてください。

生野恭司先生(以下、生野氏):「眼が悪くなる=近視が進む」ということとしてお答えしますと、近視が進む原因というのは数多あげられているんですが、医学的な根拠のあるものとないものと、かなりばらつきがあります。その中でも「絶対に悪い」と言われているのが、眼から近い距離での作業、いわゆる近見作業というものです。つまり紙の本を読むことも、電子デバイスを使って電子書籍を読むことも、極端なことを言ってしまえば机に向かって勉強をすることも、基本的には近視が進む原因になるといわれています。

――紙の本よりも、電子書籍のほうが眼に悪いのではないか、と思われている人も多いと思うのですが、そういうことはないんですか?

生野氏:紙の本のほうが眼に良いとか、電子書籍のほうが眼に悪いといった結論は出せないと思います。ただ昨今スマホが問題視されているのは、例えば長時間手元を見続けているとか、電子書籍のように文字を読むだけじゃなく、ゲームのようにチカチカするものをやっていることが多いからだと思います。長時間手元を見ていることや、光がチカチカするものを見ることは、眼を緊張させますし、眼の疲れ方も変わってきます。デジタルデバイスが眼にとってどう影響があるのかは、デジタルデバイスを使って、「何を」「どうやって」見ているかにもよりますので、デジタルデバイス自体が眼に悪い、と結論づけることはできません。

――同じデジタルデバイスであっても、電子書籍を読むのと、チカチカするようなゲームをするのとでは、ゲームのほうが眼に悪いものでしょうか?

生野氏:個人的には、光が眼を疲れさせますので、「光の量が多いゲームは眼に悪いのではないか」と思うのですが、これも調査自体が難しいので、決めつけることはできません。たとえば、毎日ゲームを5時間やった人と、毎日電子書籍5時間読んだ人を、1000人、2000人規模で集めて調査するということが難しいので。 ですから、医学的根拠をもとにお話しするのは難しいのですが、私の意見としては、デジタルデバイスで本を読むことが、紙の本を読むことに比べて、ことさらに眼に悪いということはないと思っています。近視自体は仕方ないことだと思うんです。今の子どもたちは、勉強をがんばることが求められているわけですが、勉強をがんばることと、近視にならないことはなかなか両立しないことなのです。近視にならないために勉強をさせないほうがいいのか、本を読ませないほうがいいのか、というとそんなことはないと思います。必要であれば紙の本であろうと、電子書籍であろうと読むべきだと思っています。これは個人的な見解ですが、電子書籍、電子媒体が今後主流になることは間違いないと思いますので、それを「眼に悪そう」という先入観で止めるのではなく、正しく使って欲しい、というのが私の思うところです。

――デジタルデバイスを正しく、近視を抑えつつ使う方法を伺えますか?

生野氏:これは米国の眼科学会が、デジタルデバイスを使う場合に気をつける5つのポイントを提示していますので、それが参考になると思います。大人がデジタルデバイスを使って仕事などをする場合を想定して作られたものですが、子どもに対しても同じことが言えると思います。

1.適切な距離を保つ
適切な距離とは、25インチ(60センチ)くらいになります。これは大体大人の腕の長さに保つということです。あまり近すぎたり、遠すぎたりするとピント調節に労力を要し非常に眼が疲れます。

2.グレア(眩しさ)を調節する
モニターが明るすぎたり、暗すぎたりすると眼が疲れます。光の量を調節する事が大切です。

3 .休憩を取る
長時間本を読んだり、モニターを見続けると眼精疲労になります。これ対しては「20-20-20ルール」というものがあり、20分ごとに20フィート(6メートル)先のものを20秒間見るという作業です。遠くのものを見ることによって、眼の緊張が取れます。

4.ドライアイ対策
モニターを見続けると眼が渇き、ドライアイの症状が悪化します。自覚のないドライアイの方も少なくありません。ドライアイ点眼薬をこまめに点し、保湿をしましょう。

5.部屋を明るくする
モニターを見る際に、周囲が暗いと余計に疲れます。周囲の照明を調節することが大切です。

このように5つのポイントを守ることで、モニターによる眼精疲労を防ぎ、延いては眼を守る行動をとることができます。

――眼からの距離や、モニターと周囲の明るさの調整、適度な休憩が重要ということですね。

生野氏:はい。日本近視学会でも、「親子で学ぶ近視サイト」というHPを監修していますので、そちらも見ていただいて、正しい知識を持っていただけたらと思います。


現代の生活習慣を考えたら近視になるのは仕方のないことなのですが、いくつかそれを抑制するようなプログラムも出来ています。近視をなくすことはできないので、そういった抑制プログラムを使いながら、近視で悩む人の数や、進行度を抑えていこうというのが、世界的な趨勢です。可能な範囲で眼に負担をかけないでいきましょう、というスタンスになると思います。

――ありがとうございました。では、最後にこの度の新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出もままならなくなっている子どもたちに、メッセージをいただけますか?

生野氏:私もこんな経験ないですから、なんともたとえようがないのですが……。今はみなさん辛いと思いますが、これも1つの経験だと思って、がんばりましょう、ということでしょうか。お父さん、お母さん、家族と過ごす時間が増えている子も多いと思いますので、今しかできないそういった時間を、前向きに捉えて過ごしていただければと思います。 (2020年4月末 TV会議にて)

生野先生のお話では、電子書籍が特別、眼に悪いということはない、ということでした。デジタルデバイスや電子書籍自体を「眼に悪い」と敬遠するのではなく、どういった使い方、読み方をすればよいのかを正しく理解して、ぜひ紙の本でも、電子書籍でも、たくさんの本を読んでもらえたらと思います!


 

引用: https://yomeruba.com/news/entry-10003.html

ヨメルバ

 

電子書籍自体が目に悪いのではないとのことなので、モニターや周囲の明るさ、目からモニターの距離などを気をつけることで目を守りつつ、書籍をたくさん読みたいと思います。

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