少しずつ目が見えなくなる女性の半生
本日は、「目が見えなくなっていった女性の半生」についての記事をご紹介します。
少しずつ目が見えなくなる、耳の聞こえない女性
半生を描いた作品に、考えさせられる
人間誰しも、いつの間にか『後回し』にしているものが1つや2つあるでしょう。
「いまは忙しいから、時間ができたらやろう」「いまはお金に余裕がないから、将来叶えよう」と、趣味や願望を後回しにしてしまいがちです。
ですが、その『いつか』は本当に来るのでしょうか。予想だにしていないことが自分の身に起こり、想定している未来は訪れないかもしれません。
目が見えなくなっていった女性の半生
『わたしと趣味』というタイトルでTwitterに作品を公開したのは、椿 冬華(@TSUBAKI_TOKA)さん。
先天性聾唖(ろうあ)で耳が聞こえない椿さんは、現在も治療法が確立されていない難病『網膜色素変性症』を患っています。
網膜色素変性症とは、網膜に異常をきたす遺伝性、進行性の難病です。椿さんが描いた半生をご覧ください。
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わたしは生まれつき
耳が聞こえない。そしてだんだん見えなく
なっていく目の病気もある。でもわたしには
好きなことがいっぱい!!旅行大好き!
小説大好き!
映画大好き!
ゲーム大好き!
マンガ大好き!
お喋り大好き!
お絵かき大好き!
お絵かき大好き!
物語作り大好き!でも最初に、‟夜„を手放した。
【夜盲症】
暗いところが見えなくなり、夜中の出歩きや薄暗い建物内での歩行が困難になった。
(介添人がいれば夜中の出歩きは可能。慣れ親しんだ道であれば白杖携帯で歩行可能)次に手放したのは、ボール
【視野狭窄】
視野が狭まり、動くものを捉えることが困難になった。落とし物もすぐ見失う。
現在ではトイレットペーパーの芯を覗いた程度の視野しかありません。
(体育の時間、球技はもっぱら先生と組んでいました)‟みんなで„も手放した。
【状況把握能力の低下】
視界が狭まっていくことによって視界に収めることのできるものも減っていき、状況を瞬時に理解することができなくなった。
みんなで話していても誰が話しているかすぐ分からなくなり置いていかれる。‟冒険心„ともさようならした。
【平衡機能の低下】
病気の進行に伴いバランス感覚が崩壊していき、足場の悪いところをひとりで歩くことができなくなった。
右目は失明してしまっているため距離感の把握もできなく、舗装された道でも段差が見えなくてよく躓く。‟昼„ともお別れをした。
【光覚障害】
網膜が弱まり明暗調整ができなくなり、暗いところだけでなく明るいところでの歩行も困難になった。
太陽の下、対向車のハイビームの中などでは光を目が取り込みすぎて視界が真っ白になる。
(曇りの日が一番目に優しい)‟テレビ„とお別れした。
【動体視力の低下】
網膜がさらに弱まり、動くものを捉えることがさらに困難になり、画面の動きをリアルタイムで追うことができなくなった。
(字幕ももう追えないため、映画やドラマ、アニメなどはDVDで一時停止しながら見るようになった)‟本„ともさよならする。
【視力低下・色覚異常】
病気の進行で視力が悪くなり、色弱の症状も現れてきて小説や漫画、画集などを見ることが困難になった。
絵や写真を見てもそれが何であるのかすぐ理解することができない。
(現在は電子書籍に切り替え、小説は黒地白字と色反転して読んでいる。漫画は好きな作品を追い掛けるだけで精一杯)‟ヒト„も手放そうとしている。
【中心視野の欠如】
視野がさらに狭まり、その上中心視野に部分的に欠落が生じて相手の手話を読み取ることが困難になった。また、手書きの字を読み取ることが難しくなり筆談もうまくいかなくなった。
幸い、周囲には理解してくれる方ばかりだが初対面の人やあまり関わりのない人との会話をどうスムーズに運ぶか模索中。またいい歳してゲームばっかりして
心配しないで
そのうちできなくなる好きなことがいつまでも
手元にあるとは限らない。わたしの体に起きたことは‟老化現象の先取り„でもあるので、みなさんにとっても他人事ではありません。
できていたことができなくなったと気付いた時の絶望感はえげつないです。
それの繰り返しによって生に対する執着心も薄れていきます。
愛するのを後回しにすんな
今愛せ〈中略〉
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旅行をしたり、本を読んだり、TVを見たり、ゲームをしたりすることが大好きだった椿さん。
しかし、進行する病気によって次々と『大切なもの』を手放さなくてはいけなくなってしまいました。
人とうまくコミュニケーションをとることも難しくなり、椿さんは大きな絶望感を味わったといいます。
みなさんにとっても決して無関係ではありません。愛するのを後回しにしないで。
椿さんが作品に込めたメッセージ・・・それは、これらの症状が『老化現象の先取り』でもあるということ。
ここに描かれている症状は、いつか多くの人の身に起こることでしょう。そして、失うものも同じはずです。
「いつかやろう」と思って後回しにした物事を、一度振り返ってみてください。そして、すぐに始めてみてはいかがでしょうか。
引用:少しずつ目が見えなくなる、耳の聞こえない女性 半生を描いた作品に、考えさせられる
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