画像を読み取るだけで視力が改善?
本日は、「ガボール・アイ」についての記事をご紹介します。
画像を読み取るだけで視力が改善?「ガボール・アイ」とは
ざっくり言うと
✔ 新たな視力回復法について「ガボール・アイ」の著者が紹介している
✔ 数学的な処理をされた画像を読み取るだけで視力が改善するという
✔ 目の機能は変えず、見えた画像を処理する能力が鍛えられるそう1日3分!視力を回復させる「根拠のある方法」
❝ パソコンやスマホに囲まれる生活は、子どもから年配までもはや当たり前。文部科学省の2016年度学校保健統計によると、視力0.3未満の小学生は1979年度と比較し約3倍になっているほど。多くの世代の人が視力問題に困っています。
❝ ところが世の中にはこれまで科学的に証明された視力回復法はなく、レーシック手術といった方法を検討するしかありませんでした。
❝ そんな中、科学的根拠のある視力回復法が海外で話題になっています。『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる!ガボール・アイ』の著者であり眼科医の平松類先生に聞きました。
子どもも高齢者も「視力」に悩んでいる
「最近本やパソコン、スマホを見ると目が疲れる。でも眼鏡もかけるのもなあ」「子どもの視力が悪くなってどうにかしてあげたい」。そう思う方から「視力をよくする方法はありませんか?」と、よく質問を受けます。
レーシックなど、眼科医の中でも「視力を回復する方法は手術以外ない」という考え方が特に日本では主流です。が、レーシックには感染症やドライアイなどのリスクがあります。
しかし、最近の論文で「ガボール・パッチ」という方法が新たな視力回復の方法となりうることが示されてきました。
カリフォルニア大学の研究では、大学の学生16人と65歳以上の高齢者16人を対象とした研究で、近視も老眼も視力の改善が示されました。119人を対象とした研究でも(平均年齢49歳、40~63歳)視力の改善はもちろん、読書スピードの増加も示されました。
老眼がない人で26%、早期老眼の人で43%、進んだ老眼の人で81%、全体で50%読書スピードが増えたことも示されています。視力が上がる事で日常生活が楽になったり、仕事がしやすくなる可能性もあるように思います。
「ガボール・パッチ」とは「ガボール変換」という数学的な処理をすることで生まれる縞模様です。ガボールとは、開発者のデニス・ガボール博士からきています。ガボール博士はホログラフィーの発明で1971年にノーベル物理学賞を受賞しています。
「ガボール・パッチ」は、もともとは視力回復のために開発されたものではありません。しかし、ガボール変換を行ったものは「脳の視覚野」にさようしやすいと考えられていたため、視力回復のために使用してみたところ、改善がみられました。結果として、現在では多くの研究がおこなわれるようになりました。
ただ、この方法は、日本ではほとんど知られておらず、ガボールによる視力回復の日本語論文は一つもありません。現在研究されているのは海外のものばかりで、文献もいずれも英語で書かれています。
具体的には、ガボール変換した画像を読み取る訓練をすることで視力を改善していきます。つまり画像を見るというだけです。メスを入れる必要もないですし、目をもんだり動かしたりなど負担をかける必要もありません。私はこの「ガボール・パッチ」を使った視力回復法を「ガボール・アイ」と名付けました。
視力をよくしたければ手術をするのが一番なのは確かです。ですから、リスクをとっても構わないのであれば、手術を選ぶのも悪くはありません。
現在ではレーシック以外にもICLという角膜を削らない方法や、眼内レンズを入れる方法など、多くの手術法があります。それぞれのメリットがありますが、手術にはデメリット・副作用(合併症)もあります。
一方で、「ガボール・アイ」であれば画像を読み取る訓練だけなので、副作用(合併症)がありません。あらゆる年代・家族にもすすめやすい方法と言えます。
脳が鍛えられるメカニズム
それでは、いったいどういうメカニズムなのでしょうか。簡単に説明したいと思います。
モノを見ているとき、人間は目でみた映像を脳で処理して見ています。そのため脳梗塞や脳出血などがあると、たとえ目に何の異常がなくても視力が0.1になることがあります。
これは、脳の病気により見たものを脳で処理する能力が落ちてしまうためです。同様に認知症であったり、脳の機能が落ちると視力が下がってきます。認知症の患者さんですと、受け答えが鮮明にできる方であっても視力が出にくい方がいるのはこのためです。
逆に目が多少悪くても、脳が補ってくれるという部分があります。例えば盲点といって、人間の目は片目で見ると一部分が見えません。
左目を隠して、右手をまっすぐ前方に出し、右のひとさし指を立ててまっすぐ正面を見てください。右のひとさし指の先は、目の高さに合わせます。目線はそのままで右のひとさし指(右手)を外側(右側)に水平に動かしていくと、肩幅近くの位置で指先が消えます。実際にやってみれば、見えなくなることが確認できます。
このように、目というのは視界の中に入りそうなものでも、ちゃんと見えていないことがあるのです。つまり、目というのは完全ではないのです。ただ盲点は、このようにゆっくりとじっくりと観察しないと、なかなか気づきません。一方で普段の生活では、盲点は一瞬で通過します。そのときに脳は、実際は目で見えていない部分を推測して、我々が気づかぬうちに見えたものを補完しています。このように目から入ってくる情報が不鮮明な場合でも脳の機能がよければ、画像を加工して鮮明にしてくれるのです。
「ガボール・アイ」が視力を回復するメカニズムは、この‶画像加工能力を上げる″ことにあります。目を鍛える、目の筋肉を強くするという訓練はありますが、ガボール・アイは目の機能は変えません。目を良くするのではなくて見えた画像をはっきりと処理する能力を上げるのです。
だからこそ近視であれ遠視であれ、関係なく見やすくすることができます。目の状態に依存せず今見える画像を鮮明にする方法だからです。2017年には「ニューヨーク・タイムズ」で「脳を鍛えることで老眼も近視も視力が向上する」という記事が掲載されています。
~中略~
ものが見やすくなり、その処理能力が上がるという事はさまざまなメリットがあります。読書能力が上がり、仕事の処理能力が向上することで、ミスを軽減することができます。
また、目が見えない事で肩こりや頭痛、疲労感など何となくの不調を引き起こします。とりわけ疲労感は脳疲労が原因の一つと考えられています。脳の機能を向上させることで、この疲労原因を取り除くこともできるのです。
これまでの視力回復法と大きく違う点は目だけをよくするのではなくて、脳からよくするという点です。そのため、野球をしている人を対象とした研究でも、ボールをよく見えるようになるためにバッターはアウトになる確率がさがり、打率も上がるという事が示されています。
引用:画像を読み取るだけで視力が改善?「ガボール・アイ」とは
東洋経済 ONLINE
オルソケラトロジーにも言えることですが、手術不要であり、可逆性があるということは大きなメリットだと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません