いくつ数字が見える? 色覚異常について知っておくべきこと

 今回は、色覚異常について記事をご紹介いたします。

色覚異常は、女性よりも男性に多く、男性では10人に1人と言われています。
特に赤系統の色と緑系統の色の判別がつきにくい赤緑色覚異常が多いとされています。

それでは、記事を見てみましょう。

 

いくつ数字が見える? 色覚異常について知っておくべきこと
Image: CoBlindor

子どもは、発達の初期段階で多くのことを学びます。歩くことを学び、話すことを学び、人、動物、数字、文字、色など、あらゆるものを識別できるようになります。

英語で色を表現するときは、名詞の前に色を表す単語を置くことが一般的です。たとえば、「その車は青いね」よりも「青い車があるね」と言うことのほうが多いのです。ところが後者の言い方では、子どもにとって「青い」という認識がつきにくくなります。

それとは別に、直感的にもう赤と茶色を見分けられてもいい年齢にもかかわらず、それら2つをいつも混同している場合、親としては色覚異常(かつては色盲と呼ばれていました)を疑うかもしれません。

色覚異常とは

かつては色盲と呼ばれていましたが、色を一切見分けられないわけではないので、適切な表現ではありません。

American Academy of Ophthalmology(AAO)によると、色覚異常とは特定の色に対する欠陥であり、通常は赤や緑が多いですが、青の場合もあります。たとえば、赤緑色覚異常の人にとって赤と緑は同じ色に見えるため、赤や緑が含まれる紫や茶色などの色の判別が難しくなります。

では、実際に目の中では何が起こっているのでしょう。AAOは次のように解説しています。

網膜には、光を検知する細胞が2種類あります。

“桿体(かんたい)視細胞と錐体(すいたい)視細胞です。桿体視細胞は明暗のみを検知し、非常に低い光量にも敏感に反応します。
錐体視細胞は色を検知し、視野の中心に集中しています。錐体視細胞には、それぞれ赤、緑、青を見るための3種類があります。脳はこれら錐体視細胞からの入力を用いて、色を認識しています。
色覚異常は、1つまたは複数の錐体視細胞が、存在しない、機能していない、あるいは通常とは異なる色を検知する場合に発生します。深刻な色覚異常は、3つの錐体視細胞がすべて存在しないときに起こります。軽度の色覚異常は、3つの錐体視細胞はすべて存在しているものの、そのうちの1つが正常に機能せず、通常とは異なる色を検知するときに起こります。 “

色覚異常になりやすい人の特徴

男性は女性よりもずっと色覚異常になりやすく、男性のおよそ10人に1人は何らかの症状を持っているといわれています。

Hazel Healthでチーフメディカルオフィサーを務めるRob Darzynkiewicz氏はRomperのインタビューにおいて、母方の祖父に色覚異常があると高い発症率を示すと答えています。

" 色覚異常は、一般的に母親から遺伝します。
赤、緑、青の視野に関する遺伝子は、X染色体に存在します。女性はXX、男性はXY染色体を持ちますが、片方のX染色体に機能しない遺伝子があっても、もう一方のXが機能していればおそらく問題ありません。
女性の色覚異常が少ないのはそのためです。男性の場合、X染色体は母親から引き継ぐ1本だけなので、そこに欠陥があれば色覚異常のリスクが高まります。 “

検査方法

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Image: CoBlindor

色覚異常は視力に影響を及ぼすわけではないので、眼科医による診察や視力検査で見過ごされる可能性があります。

家系に色覚異常者がいる場合やいつも特定の色を見つけるのに苦労しているなどの理由がないかぎり、検査をする必要はないでしょう。

でも、疑わしいと思うなら、初期チェックとして自宅でできる色覚検査を試してみてください。数字が言える年齢、それが難しければ指で線をなぞれる年齢(通常4から6歳)であれば、できる簡単なものです。

石原表として知られるこの検査法は、オンラインですぐに見つけることができます。AAOによると、この方法は1918年に日本の眼科医である石原忍東京大学教授が軍隊のスクリーニングのために開発しました。

色のついたドットパターンが並び、その中心に数字または曲線が描かれていますが、色覚異常の人はそれを見分けることができません。

子どもが数字やパターンを見分けられないなら、眼科で追加検査を受けて診断してもらいましょう。

色覚異常が発覚した時の対処法

先天性の色覚異常に治療法はありませんが、後天的な色覚異常なら治療法があるかもしれません。

それほど大きな不便や健康上の問題がなくとも、当人にとっては当惑やイライラの原因になることが考えられます。Darzynkiewicz氏によると、親は子どもの視点に立って考えることから始めることが大切です。

" 考え方は毎日少しずつ調節しましょう。「赤い車の隣に停めた」ではなく「信号の近くに停めた」、「緑のシャツを着よう」ではなく「ストライプのシャツを着よう」といった具合です。
色の認識でイライラしているように見えるときは、直接聞いてしまって構いません。そばにいること、気にかけていること、経験から学びたいと考えていることを、子どもに知ってもらうのです。 “

その他、色覚異常の子(特に小学生)がいるなら、次のことに注意しましょう。

・ 学校の先生に何が見えるのかを伝えておくことで、特定の色を見分ける必要があるようなゲームやアクティビティを避けてもらう。

・掲示板や教室内のその他の掲示物において、色を表示するように先生に頼む。

・指示された色をすぐに手に取れるよう、混乱しそうなマーカーや色鉛筆にあらかじめ色を明記しておく。

黒板は白のみ、ホワイトボードは黒のみなど、色を使わないように頼んでおく。

 

最後にいちばん大切なこと。

それは、子どもの色覚状態を本人にしっかり認識させておくことです。

他の人とは違う色の見え方をしているので、助けを求めても構わないのだと伝えておきましょう。

 

 

Image: CoBlindor
Source: American Academy of OphthalmologyHazel HealthCoBlindor
Meghan Moravcik Walbert – Lifehacker US[原文
訳:堀込泰三

 

 

 引用: いくつ数字が見える? 色覚異常について知っておくべきこと

lifehacker

色覚異常だけの話にとどまらず、様々な人々の感性や価値観などを受け入れるダイバーシティ(多様性)社会が現代に求められていると考えています。