ブルーライトは、本当に悪者か?
本日は、ブルーライトについて医師が語ってくださっている記事(記事内には動画有り)をご紹介いたします。
ブルーライトは、本当に悪者か?筑波大学眼科教授が解説
筑波大学眼科教授・大鹿哲郎さんが、最新の研究成果を踏まえ、目の健康に関する最前線の情報をお伝えします。ブルーライトは目に悪いのでしょうか。
筑波大学眼科教授の大鹿哲郎です。最近よくいわれる「ブルーライト」の影響についてお話しします。ブルーライトは目に悪いのではないかといわれていますが、一方では実は良いのではないかという説もあります。
最近、スマホや蛍光灯に代わってLEDライトが非常に普及し、ブルーライトに接する機会が増えています。その一方で、ブルーライトを選択的にカットし、目に入らないようにする眼鏡も売られています。このような状況で、ブルーライトがどの程度目に影響するか、非常に関心を持たれている方も多いと思います。
ブルーライトとは、短波長から長波長にわたる可視光のうち短波長の方の光で、一番短いものをいいます。具体的には400~500ナノメートルほどの光です。光のエネルギーは短波長の方が強く、いろいろなものに影響が強く出る可能性があります。
ブルーライトは、一日のリズムを作り出すのに必要
ブルーライトを感受すると、頭にその信号が伝わって、そこでメラトニンという物質が産生されます。このメラトニンが、体内時計をつかさどります。
人間の一日のリズムを、概日リズムといいます。朝起きて光を浴びると、ブルーライトを網膜で感知して、人間は朝になったことを感じます。逆に夜はだんだんと暗くなるのでブルーライトが少なくなり、次第に眠くなります。こうした一日のリズムをつかさどっているのがブルーライトであり、それを感知するのが第四の神経節細胞ということになります。
このリズムが乱れると、不眠症になったり、夜眠れず昼間眠くなったりします。特に問題になるのは、夜寝る前にスマホや液晶テレビをずっと見たり、コンピュータの作業をしたりすることです。そうするとブルーライトが目に入るので、一日のリズムが狂ってしまい、寝付きが悪くなることは確かにあると思います。
しかし逆に、朝はブルーライトが必要です。それをカットして目に入れないのは、あまり良くありません。だから朝にはブルーライトが必要なのですが、夜寝る前にはカットした方がいいということです。
例えば海外に行くと、時差ボケに苦しむこともありますが、そうしたときには「屋外に行って太陽の光を浴びましょう」といわれるでしょう。これにはブルーライトが影響しています。つまり、太陽光を浴びることで一日のリズムを取り戻しましょうという意味があります。
必要以上にブルーライトを怖がる必要はない
他方で、概日リズム以外にもブルーライトが影響するという話もあります。最近の説ですが、ブルーライトは短い光なので、空中の塵などいろいろなものに反射して散乱しやすいため、それがコンピュータの画面や像のブレにつながってしまい、目が眼精疲労を起こして、ピントを合わせにくくなるといわれています。
しかし残念ながら、これはまだエビデンス(証拠)がある話ではありません。そのため、どこまでそれが本当に目に影響するかは、一概にいえません。
もう一つ、昔からいわれていることですが、紫外線やブルーライトは、光として強いものなので、網膜まで(つまり、目の奥まで)届くと障害を起こす、というものです。加齢黄斑変性という病気があり、ブルーライトはこの有病率を上げてしまうという説もあります。確かに理論的には、強い光が当たれば、網膜に障害が生じる可能性はあります。しかしこれも、残念ながらそこまでエビデンスとしては確立していません。
したがって、ブルーライトを怖がって全てシャットしてしまう必要は、今のところありません。
しかし、ブルーライトをカットする眼鏡が悪いわけではありません。ただ、それで目の疲れが劇的に緩和されるかというとそうではなく、コンピュータによる仕事などで目が疲れるのは周囲の環境や姿勢なども原因として挙げられます。
ブルーライトは悪者にされることもありますが、人間の体にとっては必要なものですし、上手に付き合うことが大切です。日中は必要であり、夜は控えめにするということが良いでしょう。
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概日リズムとは、サーカディアンリズムのことですね。メラトニンは非常に重要な物質だと思いますので、記事内で先生が仰っているように朝はある程度ブルーライトを浴びて、夜寝る前はPCやスマホなどのブルーライトをカットすると良いかもしれません。
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