もし、子どもが先天白内障だったらどうすればいいの? 赤ちゃんのうちから手術すべき?

 

本日は、生まれたばかりの赤ちゃんの目に関する記事をご紹介いたします。

 

目のレンズにあたる水晶体が濁る「白内障」。通常なら加齢に伴い起きる疾患ですが、胎児のうちから濁っていることもあるようです。そうなると気にかかるのは「視力の獲得」です。必要な手だてがあるとしたら、いつ、どのような方法で進めるのか、「みずたに眼科」の水谷先生に伺いました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

目の機能は生まれた直後から育っていく

編集部:
白内障って、生まれつきということもあるのですか?

水谷先生:
はい、あります。白内障には、50歳前後からみられる一般的な症状もあれば、薬や病気などの影響でもっと早い段階にかかるものもありますし、さらにいえば濁ったレンズをもったまま生まれてくる赤ちゃんもいます。このうち最後の症例を、「先天白内障」と言います。

編集部:
元々、よく見えない状態で生まれてくるということですか?

水谷先生:
どんな赤ちゃんでも、「元々、よく見えない状態」で生まれてきます。ただし、健常な赤ちゃんの場合、そこから視力の自然なトレーニングができるんですよね。そして、おおむね3歳頃までに「物を立体的に見る能力」が、8歳頃までに「その後の人生を分ける視力」が決まってきます。

編集部:
先天白内障だと、視力が十分に育たないということですか?

水谷先生:
はい。立体視や視力を育てられる期間は、上述のように決まっています。このタイミングを逃すと「弱視」となり、大人になっても治せない可能性が生じます。そこで、「赤ちゃんのうちから手術をするべき」というのが一般論なのですが、手術の是非やタイミングについては、基本的に発見次第ということになると思います。ただし、良好な視力を得るためには、生後6~12週に手術する必要があるとも言われています。

編集部:
親が気づくためには、赤ちゃんの目の濁りを確認するのですか?

水谷先生:
目の中に白い濁りがある場合には、必ず眼科を受診して的確な診断を受けることが大切です。ほかにも「目の細かな揺れ」や「視点が定まらない」、「物を見るときの変な姿勢」を伴う場合があります。加えて、両方の目が同じ方向に向いていない「斜視」にも注意です。これらの傾向を、3歳時健診を待たずにチェックしてみましょう。疑わしければ、確信せずとも眼科医にご相談ください。

物を見ないことにははじまらない

編集部:
大人が白内障手術を受けると、ピントの調節機能が失われると聞きます。

水谷先生:
はい。手術前では、水晶体という目のレンズの厚みを目の筋肉の力で変えることができます。これによって、近くの物に焦点を合わせることができたわけです。ところが、水晶体を取り除くと、この機能が失われます。そこで、眼鏡の併用や多焦点眼内レンズなどを使用して、ピント調節を補う工夫が必要になってきます。

編集部:
その点は、赤ちゃんも同じではないですか?

水谷先生:
はい。水晶体を取り除いた場合、調節機能はなくなります。加えて、これから眼球が大きく育つ赤ちゃんには、眼内レンズの挿入時期にも気を使わなければならなかったり、成長に伴う眼内レンズのサイズや焦点の変化なども考慮したりする必要があります。そして術後は、眼鏡やコンタクトレンズを装用して視力のの発達を助け、見守るべきでしょう。

編集部:
トレーニングなどは必要なのでしょうか?

水谷先生:
クリアな視界で見ること、つまり、網膜に綺麗な像を結ばせることが視力の発達には不可欠ですが、白内障術後は眼鏡やコンタクトレンズの装用でそれを助けます。加えて、片眼性の場合、健全な目をパッチなどで隠し、積極的に手術した方の目で見るように促す方法もあります。しかし、乳幼児の場合は健全な目も視力の発達過程にあるので、それを邪魔しないような配慮も必要なので、とても難しい舵取りになることも少なくありません。

編集部:
視力って、健全な目でも変わりますよね? 手術した白内障レンズが合わなくなることはないのですか?

水谷先生:
当然あります。一般的に生後すぐ手術をする場合は、水晶体を取り除くだけで眼内レンズの挿入を見合わせることが多いと思います。2歳以上であれば眼内レンズを挿入することが多いと思いますが、その場合、一般的に視力の発達に有利な近方をターゲットにしたレンズを選択します。しかし、成長とともに焦点はずれるので、目の成長に合わせて眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要です。

先天白内障の予防は可能なのか

編集部:
そもそも、先天白内障の原因って何なのでしょうか? やはり、遺伝ですか?

水谷先生:
遺伝要因に限らず、代謝性疾患や子宮内感染、妊娠中の母親の病気などが挙げられます。子宮内感染に関して言えば、ワクチン接種などで予防できる面もあります。先天性風疹症候群はその一例で、風疹そのものが胎児の様々な成長を妨げかねません。「妊娠に気づいたら、まずは風疹のチェック」くらいの意識でちょうどいいと思います。その意味で、妊娠前の風疹ワクチンの接種は予防策の1つと言えると思います。

編集部:
生まれたときはなんともなくて、成長してから白内障になることは?

水谷先生:
中には水晶体の一部のみが混濁している白内障(部分白内障)もあります。その場合は10歳くらいまでの間に混濁が現れますが、部分白内障では視力は比較的良好な場合が多いですね。また、先天白内障とは別になりますが、アトピー性皮膚炎と白内障の関係が知られています。アトピー性皮膚炎があると、比較的若年で白内障を発症する場合があります。

編集部:
こうした相談って、何科に行けばいいのでしょうか?

水谷先生:
目に関するお悩みを抱えている場合は、……

 

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引用:もし、子どもが先天白内障だったらどうすればいいの? 赤ちゃんのうちから手術すべき?

Medical DOC

 

3歳児検診がありますが、乳幼児の眼に何か疾患等がある場合は弱視にならないためにも早期発見が大切です。
記事内にもあるように、とりあえず同期に眼科を受診して検査の結果何もなかったら、それは素晴らしい結果を受け取ったということであるため、まずは眼科を受診したいですね。