海外のオルソケラトロジー事情

●地域:米国・カナダ

米国は、オルソ発祥の地である。より洗練されたレンズデザイン、高酸素透過性素材の採用により、40年以上の経過を得て、効果・予測性・再現性・即効性・安全性に格段の進歩がみられた。治療の対象は、近視進行や、近視そのものを心配したアジア系の子供たちが多く、白人の場合、レーシックに抵抗があり、メガネやコンタクトレンズが不向きな成人も対象になっている。 

主な使用レンズ:ボシュロム社VST(CKR,Emerald,NightMove,etc) 

●地域:アジア

中国(香港含む)、台湾、韓国、そして日本にて現在盛んに治療が行われている。 
韓国では、1998年に承認され、中国、台湾では、2008年に承認。日本でも、2009年に厚生労働省に承認され、現在に至っている。 

主な使用レンズ:E&E(中国),Emerald(日本・中国・台湾・韓国),Lucid Korea(韓国)

● 地域:ヨーロッパ

英国をはじめとしたEU諸国でも、オルソの適応年齢や矯正度数に公式な規制はない。しかし、British Orthokeratology Societyが発布したガイドラインや学術専門誌に報告されたデータからは、近視が-4.50Dまで、乱視は-1.5Dまでが適当と考えられている。日本と同様にHCLの処方率が高いオランダは、世界中で最もオルソケラトロジーの普及した国の一つである。 

主な使用レンズ: HechtContractlinsen(ドイツ)、Horus(イタリア)、NKL(オランダ)、Precilens(フランス)、 Technolens(スイス)

● 地域:オセアニア(豪州、ニュージーランド)

2006年当時は、成人白人女性が大半であり、若年者への近視進行抑制効果に関する報告がされるにつれ、中国系への子供達への処方も盛んになった。現在は、対象年齢が若年化し、人種間の偏りも少なくなってきている。