近視・遠視はどうして起こる?遠視にまつわる誤解とは

 

本日は、近視・遠視の仕組みやオルソケラトロジーについて記事をご紹介いたします。

 

近視・遠視はどうして起こる?遠視にまつわる誤解とは

おすすめ本の抜粋「眼科119番 第3版 一家に一冊…目の薬箱」

近視・遠視

Q.近視は近くが見えて、遠視は遠くが見えるのですか。
A.近視は近くが見やすくて遠くが見えにくい状態ですが、遠視は遠くも近くもピントが合わない状態です。遠くがよく見えるというのは誤解です。

目の仕組み

目は焦点を合わせることにより像をとらえるビデオカメラにたとえられます。角膜、水晶体の二枚のレンズにより光を集め、網膜というフィルムに像を結ばせ、その像を視神経というコードで脳に送り、物を“認識”しています。網膜にしっかりとピントが合えば、物はくっきり見えるのですが、これが手前でピントを結んでしまうとぼやけた像が網膜に映ることになります。この状態を近視と言います。

■近視・遠視はどのようにして起こるのか

近視には眼軸長(がんじくちょう・角膜から網膜までの長さ)が正常より長すぎるために起こる軸性近視(じくせいきんし)と、角膜・水晶体の光を曲げる力(屈折力)が強すぎるために起こる屈折性近視(くっせつせいきんし)に分けられますが、大部分の近視が軸性近視です。逆に眼軸長が短かったり、角膜・水晶体の屈折力が弱いために、ピントが網膜より奥に合ってしまい、ぼやけて見える状態が遠視です。近くを見る場合にはより光を曲げてピントを合わせなければなりませんが、近視の場合はもともと屈折力が強かったり、手前でピントが合っているため、近くを見るには適しています。これに対し、遠視の場合は、より強く光を曲げなければなりませんので、近くはとても見づらく、遠くもピントが合いづらいという不便な状態です。

■なぜ近視になってしまうのか

乳幼児の場合は遠視であることが多く、成長とともに眼球も大きくなり、ちょうどよい屈折状態に落ち着くわけですが、遺伝的な要因や環境要因によりさらに眼球の形が大きく伸びてしまい、近視になってしまうと言われます。通常は小学生または中学生くらいから始まり、成人ごろに進行は止まりますが、まれにさらに進行し、網膜剥離や黄斑部に出血するなどの網膜異常をきたしてメガネをかけても視力が出ない状態になる病的近視もあります。

近視にまつわるウソ・ホント

●暗い所で、本を読むと近視になるってホント?

照明は目にとって、とても大切です。勉強や読書を快適に行うには、適度な明るさが必要になります。暗いところでの読書は疲れ目の原因となり、それが蓄積すると調節緊張などによる近視の原因となりえます。しかし、一般に近視は遺伝的な素因が大きいため、いくら悪い条件で目を使っても近視にならない人もいる半面、注意していても近視になってしまう人もいます。いずれにしても生活習慣により近視化する傾向はありますので、近視の素因のある方は照明には注意した方がよいでしょう

近視にまつわるウソ・ホント

●寝ている間にコンタクトを入れて近視を治す方法があるってホント?

オルソケラトロジー治療のことですね。裏側が特殊なデザインのハードコンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズ)を毎晩、寝る前に装用します。朝起きてオルソケラトロジーレンズをはずした後も、しばらく角膜の形が矯正されています。近視を矯正した形に角膜が「くせづけ」された状態になるので、レンズをはずしても角膜の形が元の状態に戻るまでのある一定時間、視力が回復します。毎日続けることで、少しずつ効果の続く時間を長くしてゆき、装用開始から2週間くらいで起きている間はよい視力が保てるようになります。手術ではないので、オルソケラトロジーレンズの装用を止めれば角膜の変形は治り、装用前の近視の状態に戻ります。したがって、よい視力を維持するには毎日、装用する必要があります。

—後略—

引用:近視・遠視はどうして起こる?遠視にまつわる誤解とは

ニュースイッチ

 

 

近視は、手元は見やすいが遠くのものは見にくいということが広く知られていますが、意外と知られていないのが「遠視」です。記事内にもあるように、遠視は遠くも近くも見にくいのです。しかしながら、目の調節力によって、網膜より後ろにある焦点を網膜上に近づけるため、日常生活には支障がない方が多いです。(遠視が強い方や調節力の弱い方は、日常生活にも支障が出てきます)
また、小さなお子さまほど調節力が強いため、ある程度の遠視であれば問題なく見えてしまいますが、常に調節しているため眼精疲労など様々な症状が生じ得るため眼鏡等で矯正すべきです。