「目線は下に」と眼科医が警鐘…オンライン授業の正しい受け方

 

昨今、オンラインで行うことが増えました。
子どものオンライン授業、会社のオンライン会議や友人とのオンライン飲み会など、様々なシーンでデバイスの画面を見続ける時間が増えています。
本日は、子どものオンライン授業による視力への影響を題材にした記事をご紹介いたします。

「目線は下に」と眼科医が警鐘…オンライン授業の正しい受け方

子どもが電子機器を使用する機会が増えたことから、わが子の視力低下を心配するお父さん、お母さんが増えています。視力を悪化させることなく電子機器を使ってもらうには、どうすればよいのでしょうか。年間1500件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香氏が「子どもの近視」の原因と予防法を解説します。※本記事は、アイケアクリニック院長の佐藤香氏の語り下ろしによるものです。

タブレットの長時間使用…子どもの目にどんな影響が?
最近、オンライン授業というスタイルが増えました。自宅にいる時間が長いのでPCだったりタブレットだったり、スマートフォンだったり、お子さんが電子機器を使用する機会も多いのではないでしょうか。「やはり目に悪影響があるのではないか?」と心配しているお父さんお母さんからの相談が増加しています。

実際、そういうデバイスを長く使用すると目に悪い影響があるのではないかという考えは正しいです。今回は、PCなどのデバイスを使うことで目が悪くなる、もっといえば「近視になる」ことの仕組みや、近視の予防法についてお話します。

遺伝の影響大…両親とも近視の場合、5倍ものリスク
まず、近視とはどういったものなのか説明します。近視とは、目に入ってくる光が網膜より手前でピントを結んでしまう状態です。そのため、近くならはっきり見えるのですが、遠くはぼやけて見えてしまいます。

近視になる原因は大きく分けて2つあります。1つは「遺伝因子」といわれるもので、お父さん、お母さんからの遺伝によるものです。この遺伝因子はアジアの方に多くあるといわれていて、両親が近視ではない子に比べると、片親のみ近視という子は2倍、両親とも近視という子の場合は約5倍、近視になるリスクが高いといわれています。

もう1つは「環境因子」とよばれるものです。先ほどいったようなデバイス…PCだったり、スマートフォンだったり、ゲームなどもそうですね。そういったものが普及したために近くを見つめる機会が増えたことや、外で活動する機会が減ってきたことにより、近視になりやすくなっているんです。

目に負担をかけないためには、「目線」が重要
では、どのように予防すればよいのでしょうか。遺伝因子に関しては予防できないものなので、予防策というのは実質、環境因子への対処ということになります。つまり、PCなどのデバイスの使用時間や、使用する際の工夫が大事というわけです。

まずは使用時間に関して説明します。未就学児から低学年までのお子さんであれば、だいたい30分ほど使ったら5分間の休憩を挟むことが必要です。高学年からそれ以上のお子さんに関しても、45分から1時間ほど継続して使ったらやはり10分間の休憩を取るように促してください。

また、休憩時間をどう過ごすかというのも大切です。たとえばお子さんがPCで勉強したとして、じゃあ10分間休憩しようねと促したらお子さんが今度はスマートフォンでゲームを始めましたとかではまったく休憩を取ったことになりません。デバイスを変えただけで結局は近くを見続けており、目が強く緊張した状態だからです。

目を休ませるというのは、目の緊張をほぐしてあげるということです。手元とかの「近く」を見るのではなく、遠くを見ることが大切です。

たとえばお家で過ごしていたとして、ベランダやお庭があるお宅であれば、休憩時間には外に出て太陽の光を浴びて、きちんと遠くを見ることが大切です。ベランダやお庭がないお宅でも、窓を開けて外を見るだけでも全然違います。窓をあけて外を見て、日向ぼっこをしながら休むだけでも近視の予防につながりますから、お子さんがデバイスを使用したときにはこういう感じで目を休ませてください。

次に、使い方の工夫…つまりタブレット端末やPCの正しい使い方についてお話します。これは目線と姿勢が大事です。

お子さんは身体が小さいので、デバイスを使うときはどうしても目線がちょっと上に行ってしまうんですね。目というのは、上を向くとすごく負担がかかってしまいます。身体の小さなお子さんでも目線が少し下になるよう、デバイスの位置を考えて設置することが大切です。

ただ、このように予防していても症状が出てしまうことがあります。なかでも危険な症状をあげるとすれば「見えにくい」とかです。お子さんがテレビやモニターに近づいて見ていたりとか、まばたきの回数が増えたりとか、そういう症状が出ているときは治療が必要かもしれません。

そういった場合は眼科の方を受診するようにお願いします。次回は子どもの近視治療についてお話したいと思います。

【動画/スゴ腕ドクターが徹底解説! 子どもの近視】

 

佐藤 香
アイケアクリニック 院長
アイケアクリニック銀座院 院長

 

引用:「目線は下に」と眼科医が警鐘…オンライン授業の正しい受け方

YAHOO!JAPAN 幻冬舎 GOLD ONLINE

こちらの記事にもある通り、近視になる原因は遺伝的要因と環境的要因があります。環境は意識すれば変えられます。特に最近は、子どもが外で遊ぶ時間を確保することで近視の進行を抑制できるのではないかという研究が進められています。
室内に籠ることが多くなりましたので、感染症対策をした上で外へ出て日の光を浴びることが良いと思います。