長時間の着用には要注意!「コンタクトレンズ」の正しい使い方を眼科医が解説

 

本日は、コンタクトレンズの正しい使い方について記事をご紹介いたします。

 

長時間の着用には要注意!「コンタクトレンズ」の正しい使い方を眼科医が解説

メガネの代わりやおしゃれを楽しむためのアイテムとして、普段からコンタクトレンズを着けている人は多いはず。だけど、正しい使い方を守っていると自信をもって言える人は意外と少ないかもしれません。

しかし、毎日長時間装用するといった誤った使用を続けていると、 角膜の細胞が減少するなど目の健康に深刻な影響が…。

そこでこの記事では、普段からコンタクトレンズを使う人が気をつけるべきことを眼科医の西之原美樹先生に伺いました!

今回お話を伺ったのは…
アイリスター麻布クリニック院長
眼科医、西之原美樹先生

東京大学附属病院で研修後、東京逓信病院に勤務。テキサス大学に短期留学を経てアイリスター麻布クリニックを開業。角膜矯正法「オルソケラトロジー」のエキスパートで、多くのアスリートの視力機能の向上に携わる。

 

角膜内皮細胞とは

角膜内皮細胞は、5層からなる角膜(厚さ約0.52ミリ)の一番下の層を構成し、角膜の透明性を保つ働きをしている細胞。

眼球内部の水分が角膜に貯まりすぎないようポンプのような役割をしながら一定の水分量を保つことで、角膜の透明度をキープしています。

長時間のコンタクトレンズ着用で角膜内皮細胞が減少

ソフトコンタクトレンズの長時間の着用に注意が必要、と西之原先生。

「角膜は血管をもたないので、必要な酸素や栄養分は涙から供給されるものに100%頼っています。なので、涙を吸収するソフトコンタクトレンズを長い間装用し続けると、本来角膜内皮細胞が必要とする酸素や栄養分を奪ってしまうことに」

「その結果、細胞は弱って綺麗な形を保てなくなってしまうんです」

細胞の形が崩れて小さくなっていくと、最終的に細胞自体が死んでしまい、数が減ってしまうことにつながるそう…。

 

角膜内皮細胞が減少することで目に起こる影響

西之原先生によると、角膜内皮細胞が減少することで目に起こる影響は以下の通り。

・目が見えづらくなる
・目が疲れやすくなる
・視力が低下する
・コンタクトレンズやメガネをしても視力が低いままになる
・角膜内皮細胞の密度が一定の水準以下※になると、角膜浮腫や水泡性角膜症が引き起こされる
※約800個/平方ミリメートル以下

 

角膜浮腫

角膜の水分量を調整するポンプ機能を果たす角膜内皮細胞が、酸素不足によって角膜内に留まった水分を外に排出することができなくなり、むくむ状態。これにより、角膜の透明性が低下して目が見えづらくなったり、角膜が腫れて表面の細胞が剥がれやすく/傷つきやすくなったりする。

 

水泡性角膜症

角膜浮腫が重症化した病気で、約2,500~3,000個/平方ミリメートルという正常な角膜内皮の細胞密度が、約800個/平方ミリメートル以下に減少し、角膜が混濁した状態。これにより視力が低下したり、角膜の表面の細胞が剥がれ痛みが生じたりすることも。

 

病院を受診するタイミング

角膜内皮細胞が減少しても、一定の水準にまでいかない限り痛みなどの変化を感じないのが一般的で、自覚症状がないことがほとんどなのだとか。

「なんとなく目がかすむとか、見えづらくて視力が低下したかもと不安に思う場合や、ソフトコンタクトを1日10時間以上10年つけているという人はクリニックに行きましょう」

「また、ソフトコンタクトをつけっぱなしで寝てしまい目が真っ赤になった場合も、クリニックで検査を受けてください」

治療が遅れた場合(角膜内皮細胞密度が1,500個/平方ミリメートル以下になった場合)、コンタクトレンズの装用は中止せざるをえないそう。最悪の事態では、失明に至るケースも。

 

一度減ってしまった角膜内皮細胞は、元に戻る?

西之原先生によると一度死んでしまった角膜内皮細胞は再生されず、一度減ってしまったら元に戻らないそう。

「残念ながら治療もできないため、患者さんには細胞の数をこれ以上減少させないためのアドバイスや点眼液の処方などで対応しています」

 

角膜内皮細胞の減少を防ぐ、正しいコンタクレンズの使い方

西之原先生が推奨する正しいコンタクトレンズの使い方は以下の通り。

・ソフトコンタクトレンズは、つける必要のない場合は外して必要最小限の装用にする。

・目に合った度数のコンタクトレンズとメガネを、ライフスタイルに合わせて使い分ける。

・どうしても長時間ソフトコンタクトレンズを装用しなければいけない場合は、角膜が乾燥しないように潤いを与える目薬を点眼する。

スポーツをするときなどレンズが外れやすい場面以外はハードコンタクトレンズの装用がおすすめ、と西之原先生。

「ハードコンタクトレンズは瞳の涙を吸収しないため、ソフトコンタクトレンズのような内皮細胞への影響はほとんどありません」

寝ている間に装用することで近視視力を矯正し、起きている間は裸眼で過ごせる「オルソケラトロジー」という特殊なハードコンタクトレンズもあるのだとか。

 

そのほかに、コンタクトレンズをつける人が注意すべきこと

・コンタクトレンズをつけるときは…

―後略―

 

引用元:長時間の着用には要注意!「コンタクトレンズ」の正しい使い方を眼科医が解説

COSMOPOLITAN

 

 

コンタクトレンズは、眼科医の指導の元、正しく使用しましょう。