角膜の構造について
角膜は上皮、ボーマン膜、実質、デスメ膜、および内皮の5層により構成され、これらの層はいずれも血管を必要としない特殊な構造をしています。
逆に、ほとんどの組織再生でみられる血管の再構築や線維芽細胞による組織補填は、角膜ではむしろ脂肪沈着や瘢痕形成による混濁の原因となります。
角膜上皮は角膜周辺の輪部に存在する幹細胞から供給された後、徐々に中心へ向かって進行し、最終的には表面から脱落します。一つの細胞が幹細胞から分裂して脱落するまでかかる時間は数週間と言われています。
一方で角膜内皮細胞は単層の扁平な細胞であり、ヒトでは脳神経細胞と同様に分裂しないと言われています。
角膜内皮細胞には、強力なポンプ機能が備わっており、角膜実質を透明に維持するため、常に水分を実質から前房内に排出しています。
よって、コンタクトレンズの使用やオルソケラトロジー治療において、角膜内皮細胞の検査を行うことは必要不可欠です。
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